東証1部の売買代金最高に 17年度は16%増724兆円、景気回復を反映

 東京証券取引所第1部に上場する株式の2017年度の売買代金は前年度比16%増の724兆円に達し、過去最高を記録したことが分かった。景気回復に伴う年度後半の株価上昇で取引が盛んになったことを反映した。
ただ18年度は米保護主義政策を背景に世界経済の先行き不透明感がくすぶっており、活況に影が差す恐れもある。

 日本取引所グループが3日までにまとめた。戦後の取引が始まった1949年度以降で最高だった2015年度の706兆円を上回った。17年度前半は北朝鮮情勢の緊迫化で日経平均株価は一進一退を続け、取引はやや低調だった。

 一方で年度後半は、昨年10月に平均株価が史上初の16営業日続伸を達成するなど上げ相場となり、活発な商いが目立つようになった。

 18年2月は過熱感が強まった米国株の急落をきっかけに世界の株式相場が混乱に陥る場面もあった。東京市場は売りが膨らむ一方、上場企業の好業績を支えに安値圏では買いも入って売買代金が堅調だった。

 4月に入り、市場では米国と中国の通商摩擦激化で貿易が滞るとの懸念が出ているほか、9月の自民党総裁選や11月の米中間選挙を控えて政治面での不安感もにじむ。

 大和証券の石黒英之シニアストラテジストは「投資家の慎重姿勢が強まっている」と話し、当面は売買代金が伸び悩むとの見通しを示した。

https://www.sankeibiz.jp/macro/amp/180404/eca1804040500003-a.htm