労働市場の改善と物価の上昇に合わせて賃金はしっかり上昇している

日本の雇用者の賃金を合計した総賃金も、少子高齢化などで縮小トレンドであったが、アベノミクスにより拡大トレンドに変化している。

総賃金は、雇用者数や労働時間の増加でも拡大するため、賃金が本当に上昇しているのかはあいまいだ。

よって、総賃金を、雇用者数と労働時間で割り引いて、1労働時間単位の賃金の上昇率を見る必要がある。

2016年の1労働時間単位の賃金は前年比1.2%と、3年連続で上昇していることが確認できる。

アベノミクスが始まった2013年から2016年まで、同0.0%、+0.5%、+1.1%、+1.2%と着実に改善が進んでいる。

そして、この1労働時間単位の賃金の前年同期比は、失業率とコアCPI(除く生鮮食品と消費税)でうまく説明できることがわかっている(X年からの四半期データ)。

1労働時間単位の賃金の前年同期比(%) = 4.76 − 1.07 失業率(1年先行、%) + 0.50 コアCPI(除く生鮮食品と消費税、前年同期比、半年先行、%)、R2=0.71

労働市場の改善と物価の上昇に合わせて、賃金のしっかりとした上昇がみられることが確認できる。

アベノミクス以降のトレンドが、労働市場の改善と物価の上昇から想定される水準から下振れているということはないことも確認できる。

今後、労働市場の改善と物価の上昇が更に強くなっていくにつれて、賃金の上昇も強くなり、景気回復の実感も生まれるだろう。

https://a.excite.co.jp/News/economy_g/20170323/zuuonline_143980.html