金融工学がデタラメというわけじゃないんだよ
例のサブプライムローンが組み込まれた金融商品にしたって
実はそんなに危ない金融商品ではなかった
混乱の中で紙屑同然のその金融商品を買い漁って儲けた連中もいる
組み込まれた債券がかたったぱしからデフォルトしたわけではない
一部不良の債券があったとしても全体としては大した影響は無かった

では、何が間違っていたか?
それは人間は証券取引に感情で動いている人が多いことを想定してなかったこと
それと流動性リスクというものを軽視していたことだろう

金融工学では人間が恐怖狩られてパニックを起こして見境なく売りまくるなんて想定してなかった
格付というのは細かい金融商品までは流動性を考慮されて付けられていたわけではなかったことだ
上でも述べたように問題になった金融商品に組み込まれた債券全体では債務不履行が起きたなんて極一部だ
でも金融商品保有者は恐怖に駆られてて投げ売りするという行動に出てしまった

そして問題になった金融商品が取引されている市場は売り手と買い手が少ない流動性が低い市場だったこと
こういう市場は少しでも買い手が増えると急騰し、売り手が増えると暴落してしまう
最近の仮装通貨の市場なんかも典型的な流動性が低い市場と考えてよいだろう

金融工学が何を見落としてたかというと人間は経済的合理性で常に取引してるわけではないということを考慮してなかった
それと取引している人の格付というものへの勘違・認識不足がある
格付はあくまでも債務がきちんと履行されるかだけの信用性を示すだけで流動性まで示すものではないこと
そして金融のプロでさえも時として流動性リスクを軽視していたことだ