日本は主要先進国の中で最も高齢者が働いている国だが、所得水準や年金・福祉の水準において、日本がとりわけ低いとは言えない

高齢者労働力率の推移(国際比較)
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 第2次世界大戦後、主要先進国では1次産業のシェア縮小、所得の向上、年金・福祉の充実により、60歳以上の労働力率は大きく低下した。高齢となったら働かなくても済む社会が到来したのだ。

 日本の場合も同様の傾向をたどってはいるが、低下の程度は小さいため、日本は主要先進国の中では、高齢者が最も働いている国となっている(韓国の65歳以上だけは日本を上回っているが)。

 なぜ、日本の高齢者の労働力率がこれほど高いのかについては、所得水準や年金・福祉の水準において、日本がとりわけ低いとは言えないし、
高齢者の職業構成における農業・自営業の比率の高さも、これだけの差を生むとは考えられない。

 やはり、日本人としての国民性(あるいはアジア的価値観)、すなわち、良く言えば「勤勉さ」、悪く言えば「働き続けることにしか生き甲斐を見出せない人生観」に理由を求めるのが妥当であるように思われる。

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