【三橋貴明】マネタリーファイナンス
https://38news.jp/economy/11506

またもや、日本政府に対し、日銀への
「無期限無利子国債」発行に対する援軍が登場しました。

元英金融サービス機構長官であるアデア・ターナー氏が、デフレ脱却のため政府が財政赤字を拡大し、同時に日銀が国債を買い取り、その一部を無期限無利子国債として、実質償却するべきと提言したのです。

『視点:マネタリーファイナンスはなぜ日本に必要か=アデア・ターナー氏
https://jp.reuters.com/article/2018-views-adair-turner-idJPKBN1EY0T3

根強いデフレ圧力と公的債務問題に対して日本が取り得る最も有効な打開策は、中央銀行が財政赤字を穴埋めする「マネタリーファイナンス」を国民に向けて明示的に実行することだと、元英金融サービス機構(FSA)長官のアデア・ターナー氏は述べる。

具体的には、政府が2019年10月の消費増税を延期した上で2020年代半ばまで大幅な財政赤字を出し続ける一方、日銀は政府による国債発行とほぼ同じペースで国債購入を続け、かつその一部を無利子の永久債としてバランスシートの資産に計上し、実質的に「消却」すべきだと説く。(後略)』

もちろん、無期限無利子国債ではなかったとしても、政府は日銀が保有する国債について償還や利払いの必要はありません。

理由は、日銀が日本政府の子会社であるためです。

親会社と子会社間の貸し借りや利払いは、連結決算で相殺になります。

一応、日本政府は日銀が保有する国債の利払いを続けていますが、日銀決算後に「国庫納付金」として戻ってきています(その後、一般会計予算に組み入れられています)。

すなわち、現時点で日本銀行が保有する国債について、政府は実質的な負担がありません。

とはいえ、無期限無利子国債に変えることで、名目的にも負担が消えるのです。