>>966
日銀当座預金に積み上がった金は、銀行が保有していた国債を売った代金です。国債が預金に代わったわけです。
つまり、融資に回る可能性もあった資金が融資に回らず国債運用に回されていた、そのお金が単なる金利の付かない預金になったのです。
そのまま置いておきますか?そのまま置いてて何か得しますか?
預金残高が積み上がる前に融資が増えるだろうという意見がありますが、銀行はそれまでの基準で融資に資する案件と言う線引きを頑なに守り、見直すことをしなかった。しかし他に運用するものがあったので、特に見直す必要もなかった。
しかし、国債運用が預金に代わり、運用に困ることとなり始めて、そこで初めて融資条件など、見直しを迫られる事となった。

こうでなければ説明がつきません。銀行が融資条件を緩和すれば、途端に借りたい先は続出するのです。当然日銀の当座預金や国債運用に比べたらリスクは高くなります。でも、断然リターンも大きくなります。

銀行は、自らがリスクを引き受ける事で大きなリターンを得るチャンスが増す、という当たり前のことをやっと思い出し始めたのでしょう。これまではリスク恐怖症だったのです。日銀が民間銀行の尻を叩いて、ようやく勇気を振り絞ってリスクを取り始めた。

私はこう見ます。それにしてもえらくトラウマからの脱出に時間が掛かったものです。それだけ、バブルの後遺症が深刻だったと言う証左ではないでしょうか?