副島隆彦60 立川事務所閉鎖で経営破綻間近。 [無断転載禁止]©2ch.net
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『英語国民の頭の中の研究』
投稿者さすけ7772016年5月15日
形式: 単行本(ソフトカバー)
トンデモ本は無視するに限るのだがあまりにインチキな内容なので指摘しておく。
(この著者は、第14回日本トンデモ本大賞受賞作 『人類の月面着陸は無かったろう論』をお書きになられた大先生です。あっ・・・(察し))
ちなみに私は第一章しか読んでいない。あまりに馬鹿馬鹿しかったので、残りは読まずに電車の棚の上に置いてきた。
(1)
This is a book.はA book is this.の倒置形であるという主張から本書は始まる。
その根拠は、thisは形容詞だから主語になるのはおかしいというのだ。
元々形容詞(限定詞)だったけど、代名詞(指示代名詞)としても使われるようになっただけだろーが!
I like this.みたいに、thisが目的語として使われてるのはどう説明するつもりなのか?
This is mine.
This is Yoko speaking.
This is Tokyo.
のthisは主語と認めているようだけど(イマイチはっきりしないけど)、なぜその場合は指示代名詞と認めて区別するのか?
つか、そもそも A book is this.という文が元だとするなら、そのthisの品詞は何なのだ?
SVA構文のAに当たる副詞なのか?(限定詞はC(補語)にはならない!)
そもそも、thisが元々形容詞だからというのが論拠となっている主張なのに、なんで副詞と解するのはOKなのか? 更に次のようなことが書かれている。
---引用開始----
同じことが、It's a pen.「それはペンです」についてもいえる。
この it is も、this is と兄弟である。
元は A pen is it.である。
----引用終了----
itは形容詞の用法はなく、端的に代名詞である。どう考えたら「同じことが」「いえる」のか、私には皆目検討がつかない。
A pen is it.のitの品詞は一体何なのだ?
This is a pen.が五文型のどれに該当するのかについての説が紹介されているのだが
A・S・ホーンビー(『英語の型と語法』p.26)が、「主語Thisと動詞isで第一文型に入る」としているとある。
ところが示された該当箇所を見てみると、これが全くの出鱈目なのだ。それも驚くほどの出鱈目さだ。
ホーンビーは「五文型」の話など全くしていない。
そこに書かれているのは、「25の動詞型(Verb Patterns)」による分類である。
その「動詞型1(Verb Pattern 1)」に、This is a pen.が例として挙がっているのだ。
「五文型」の「第一文型」とは全く関係ない話である。
これは、「五」と「25」という数字の違いからでも直ぐにわかるはずだ。小学生でもだ。
「動詞型1(Verb Pattern 1)」がどういうものかと言うと、
「主語+BE+補語/副詞(句)」という型の類型であり、
述語動詞がbe動詞で、五文型で言えば「第一文型」及び「第二文型」に該当するケースということである。
第一文型とするなら「a pen はどうなってしまうのか?」「ホンビーは愚か者である」と副島氏は吐き捨てるのだが(苦笑)、
ちゃんとホンビーは「主補語(Subject Complement)」と書いている。
更に「This is a pen.を第三文型だとしている人がいる」とあるが、そんな学説なんか見たことはない。
副島氏の妄想なのではないか?ソースがあれば是非とも示して頂きたい。 (2)
少し長いが、批判対象箇所を引用する。
---引用開始----
I want to do it.のwant to do の部分を合わせて、全部動詞部分で、
だから「動語」Vなのである。そしてitを目的語とするべきである。
ところが日本の英文法の授業では、I(S) want(V) (to do it).{()で囲った所は、この本では下部線}と教える。
これは決定的にまずい。根本的な大まちがいである。to do it の部分を「文のふろく」扱いして、無視してきた。
私が唱え続けている「全部合わせて動詞部分」と考えて「動語」とする考えを、どうしても採用しなければならないはず
なのだ。
そして、10年で、日本の英文法学者たちはコソコソと私の学説に訂正した。
----引用終了----
昔から、I want to do it.のto do itは、「文のふろく」扱いではなく目的語だと解されている。
to不定詞の名詞的用法の例として、どの英文法書にも昔から載っている。
(念のため、メジャーどころの英文法書を確認してみた。
『現代英文法講義』(安藤 貞雄)
『ロイヤル英文法』(綿貫 陽、須貝 猛敏)
『英文法解説』(江川 泰一郎)
『総解英文法』(高梨 健吉)
『英文法総覧』(安井 稔)
副島センセーはどんな英文法書を持っているのかな?)
want to do を「全部合わせて動詞部分」とするというのは、予備校講師の参考書では見たことがあるが、
まともな英文法書では見たことがない。
「文のふろく」扱いされるのは、不定詞の副詞的用法である。ひょっとして、
センセーは名詞的用法と副詞的用法の区別ができないのだろうか? ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています