【国際】IS戦闘員の妻子、帰国どうする 対応悩むフランス 「テロ予備軍」に警戒も ISでは9歳から戦闘員養成 4/4 産経
 【パリ=三井美奈】シリアとイラクでイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の敗走が続く中、欧州各国はISに加わった戦闘員の妻子の扱いに頭を悩ませている。
渡航者数が欧州最多のフランスでは妻子の帰国受け入れを求める声が高まるが、「テロ予備軍」となりかねないため、政府は対応に慎重だ。

 ■「仏で裁判」訴え
携帯電話には、シリアから送られた写真が何十枚も残っていた。母親が幼児を抱いて幸せそうにほほえむ姿が写っている。
「私の姉です。シリアで拘束されているかもしれない。子供たちだけでも取り戻したい」
団体職員、アミヌ・エルバイさん(22)は訴えた。仏北部ルーベのアルジェリア系移民の家庭出身。1つ年上の姉は2014年に突然、シリアに渡航し、現地でフランス人IS戦闘員と結婚した。生まれた息子は2歳、娘は1歳になるという。
エルバイさんは昨年秋、マクロン大統領に「拘束されたISのフランス人はフランスで裁判をしてほしい」と訴える書簡を送った。連携する約100家族もそれぞれ同様の手紙を政府に送ったが、「全く返事がない」という。