「確かに日本の格差は米国ほどではない。しかし、上位10%の富裕層の所得は、
国民所得全体の30〜40%まで広がっています。日本がゼロに近い低成長なのに、
上位の所得が増えているということは、裏を返せば、実質的に購買力を減らしている
人がいるということです。日本の最高所得税率は1960〜70年代より下がっています。
上位10%の所得が増えているのに、税率が低い状態では格差が広がるばかり。
所得税の累進性を高めるべきです」

ピケティ氏は、消費増税や量的緩和についても厳しい見方だった。

「消費増税は正しいのかどうか。むしろ低所得者への課税を弱め、富裕層の資産課税
を強めるべきです。紙幣を増刷することもいいのかどうか。税制改正より紙幣を刷る方が
やりやすいですが、緩和したマネーがどこへ行っているのか分かりません。金融政策だけで
なく、財政改革、教育改革、累進性のある税制改革も必要です」

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/156823/1