http://www.asahi.com/articles/ASJ9P41TQJ9PULZU008.html
「緩和の泥沼」から抜け出したい 透ける日銀の本音

黒田東彦(はるひこ)総裁は、市場に大量のお金を流せば、「必ず物価は上がる」と説明してきた。
だが物価は上がらず、この3年半で結果ははっきり出た。
 日銀は「量」から「金利」に軸足を移したが、引き続き国債を買って大量のお金を流し続ける政策も続ける。
やめられないのは、日銀が事実上財政の支え役になってしまったからだろう。
巨額の赤字財政は、緩和による超低金利で国債を発行して支えられている。
 深刻なのは安倍政権がそれに甘え、財政規律をゆるめていることだ。
2回にわたる消費増税の延期、大規模な経済対策である。
財政が金融政策への依存を強めつつある。
 黒田総裁はそれを恐れ、ひとまず「量」の拡大に歯止めをかけたのではないか。
財政の金融政策への依存をこれ以上強めないために、日銀は緩和をいたずらに拡大せず、将来の縮小にも備えることだ。
そして、たとえ政権の求めがあっても、追加緩和を乱発しない強い覚悟が求められる。