月刊日本2018年3月号
菊池英博 米国の要求で日本のコメを消そうとする安倍首相
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 なぜ安倍首相は種子法を廃止したのか。その根拠は、「農業競争力の強化」というスローガンのもとで、日本の農業に競争原理を
導入しようとする農業改革にある。
 安倍政権は、2014年6月24日に「農業規則改革実施計画」を閣議決定した。ところがこの閣議決定案を作成したのは、「農水省でも
自民党でもない」(自民党首脳)という驚愕の発言があった。2005年の小泉内閣の郵政民営化法案の時も、与党である自民党は
民営化法案の内容を事前に知らされていなかったので、自民党内では「こんなこと一切聞いていない」という反対が強まり、参議院で
否決されたのである。
 今回も同様の事態が生じており、農業改革案が閣議決定されたときに「これは郵政民営化と同じではないか」(総務会長・野田聖子)
と懸念を示す発言があった。
 実は在日米国商工会議所から政府宛に米国の要求が出されており、これを具体化したものが官邸内の「規制改革会議、ワーキング・
グループ」(座長は石丸恭)の改革案であって、これが閣議決定されたのだ。この要望書は政府あての外交文書であるのに、政府は
公開していない。
 この要望書(発行日付なし、2015年5月まで有効)によると、〈@全中(全国農業協同組合連合会)と農協(農業協同組合)を解体し、
農業部門と金融部門に分ける、…(略)…〉
 米国の要求に窮した自民党は、2015年2月9日に森山裕議員と全中の万歳会長が会談して〈@全中を解体する、…(略)…〉、という
政治的妥協が成立した。
(つづく)