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外国人労働者 増やせるか(複眼) 鈴木馨祐氏/毛受敏浩氏/森千香子氏/パッタナー・プラチャイブン氏
ttps://www.nikkei.com/article/DGXKZO33290980T20C18A7TCR000/

■単純労働 受け入れに転換 自民党青年局長 鈴木馨祐氏

 自民党はこれまで外国人の単純労働者受け入れに慎重だった。新たな在留資格を設ける今回の決断は、大きな
政策の転換点だ。
 背景には第1に圧倒的な人手不足がある。以前は全国でも外国人受け入れに反対が多く、特に地方で顕著だった。
それがここ2〜3年で逆転し、地方ほど賛成が多い。保守的とされる党の地方議員も受け入れざるを得ない認識に
変わった。労働力不足で地域の抵抗感が相対的に薄まった。
 第2は日本が質の良い外国人にどう選ばれる国になるかを考える時期に来ていることだ。シンガポールや香港、
米国などがオープンな経済でなくなってきて、外国人が入りづらくなっている。日本が高い技能を持つ外国人を
取り込むチャンスだ。うかうかしていれば欧州などにとられる。
 外国人が経済の成長戦略に位置づけられた。日本人の雇用を奪うとの批判は的外れだ。質の高い外国の多様な
人材が来れば、日本人の能力を引き出す刺激になる。終身雇用や日本人男性が中心の日本の労働市場の流動性
を高め、企業の生産性向上につながる。
 治安への懸念は、必要な在留管理をし、日本で働く外国人を把握することで払拭する。これまで基本的に雇い主
を通じて管理していたが、入り口の段階で情報を集められるようにする。違法な在留者はこれまで同様、排除する。
日本語教育や生活相談などで支援し、不安を取り除く。
 将来、移民を受け入れるのかという議論や、家族をどうするのかという問題とどこかで向き合わなければいけない。
外国人労働者のワーク・ライフ・バランスも考えた上で日本が住みたい国になることも必要だ。
 日本社会が許容できる受け入れの速度と、経済が求める速度の両方をマッチさせる必要がある。焦って許容限度
を超えれば必ず破綻する。一度開いたものを閉じるのは難しく、社会への負荷を無視してどんどん広げるのはリスク
もある。
 受け入れ側も一定の質が求められる。技能実習では安く外国人を使い倒す面が全くなかったとはいえない。
さじ加減を踏まえたかじ取りは政治家の責任だ。