上でパクリについての話があったが、別に設定レベルのネタ被りならよくある。実際、年末年始のNHKの番組二つでもそういうネタがあった。
一つは「100分で名著、萩尾望都」。「イグアナの娘」が取り挙げられていたが、最後に明かされるヒロインの設定がその何年も前のファンタジーギャグ漫画「ドラゴンハーフ」のヒロインのライバルキャラと同じだったりする。
「醜い姿(イグアナとか怪物)だった女が美しくなって人間と結婚するが、産まれた娘が若い頃の自分と同じ醜い姿だった」というものだ。
イグアナの娘はその姿によって母から愛されなかった娘が母の心情を理解するまでの物語だが、ドラゴンハーフのライバルキャラは母親と同じくなんとか美しくなってイケメン(ヒロインの想い人)を狙うという展開になっている。設定は同じでも物語的には完全に別物だ。
もう一つは「岸部露伴は動かない」の「くしゃがら」。とある言葉なのだが呪文めいた力を持っていて、聞いた人を狂わせて操ってその言葉をひたすら広めさせようとする。
その手のネタは昔っからある。山本弘の「メデューサの呪文」とかMEIMUの「絶対芸術(だったかな?)」とかいう作品がそれを扱ってる。
なお両作家はクトゥルフもののゲーム「ラプラスの魔」のノベライズとコミカライズをやっているが、そのクトゥルフ神話の知識も「知った人間を発狂させて邪神の信徒に変えて布教させる」類の知識だ。でもどれも物語としては異なる。

こんな感じに同じ設定を使う話っても扱い方によって物語としては全然別物になるし、それをパクリというならただの言い掛かりだ。