黄色い肌して中身は白人
誰も気付かず誰も気付かせず

モデルの川原亜矢子さんがパリへ行ってファッションショーに出たとき、
差別も経験してつらかった、と言っていて、どんなことかというと、
「ショーのスタッフが『肌の黄色いあの子にはあれを着せよう』と言っているのをきいてしまった」
というのを読んで、ちょっとびっくりした。

アジア人なんだから、肌が黄色いのはわかってることだし、
例えばスタイリストがそれに似合う色を着せようとするのは当然のことで、
ましてブランドの晴れ舞台で、ショーのモデルの、
誰にどの服を着せるか決めるときに、そういうことに敏感になるのは、
別に差別でも何でもなくあたりまえのことだ、と、これだけなら思う。

欧米では髪の色も目の色も人それぞれだから、流行色より何より、
自分の持ち色を活かす服を選ぶよう、幼いころからトレーニングされる、とも聞くし。

単純に「黄色い肌」と言われてそれを差別と受け取るのは、
実は受け取るその人が黄色い肌を恥ずかしいとか思ってるからで、
差別しているのはむしろその人かもしれないのだ。

もちろん、発言する側に、肌の色で人の優劣を判断する意識のある場合もないとは言わない。
たぶん、上のケースでも、実際のところは、そのスタッフの言い方とか、
前後の脈絡とか、ほかに差別と受け取れる事情があったのかもしれない。
でも、記事にまとめられたインタビューには、そういうことは出てこなかった。
ライターの方にそういう意識がなかったのか、
それとも川原亜矢子さんがスタッフのことばをそのまま差別と受け取ったのか、
どっちかはわからないけど。