橘玲『無理ゲー社会』(小学館新書)。2021年7月発売

──本書の序文には、収入や親の介護といった将来への大きな不安から、「早く死にたい」「苦しまずに自殺する権利を法制化してほしい」といった、若者世代の生々しい絶望の声が複数紹介されています。
「無理ゲー社会」から脱するには、もはや安楽死しかないとまで思い詰める若者がこれほどいるのかと……。

2020年1月に自民党の山田太郎参議院議員が、SNSで若者に向けて「あなたの不安を教えてください」「私たちに何かできることがありますか」とアンケートを取ったところ、
「苦しまずに自殺する権利」としての安楽死を望む声が殺到した。

もちろんネットで集めた意見は平均的なサンプリングではありませんが、それにしても将来に対する絶望や、
日々を過ごすのが精いっぱいだという苦悩を記したネガティブな回答があまりに多くて衝撃を受けました。

その後、コロナ禍によって世の中の理不尽さがさらに際立ってきている中で、今ならどのような回答が集まるのかと考えると、空恐ろしいものがあります。

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00290/091500019/