昔の床屋は穴刃を使っての耳穴剃りがあった。
耳穴の奥まで入れすぎて鼓膜を破ってしまった事故があって以降
今ではほとんどの店がこのサービスを行わなくなってしまった。
やっている間、ショリショリと剃る音が聞こえ、病みつきになるそうだ。

床屋(昭和の呼称)に行く理由は気持ちが良いから。

1が耳穴剃り。あのシュルシュルとスクリューされる爽快感。

2が耳剃りの後の耳掻き。母や家内がやる無遠慮なゴリゴリではなく
あの、かそけき、遠慮がちな、弱く優しい耳掻きにうっとりと寝入っ
てしまうのであった。

3が、日本カミソリで丁寧に毛穴を往復して毛根まで掘り起こす髭
剃りの爽快な音と感覚。

実は、この3つだけで料金を払った以上の甲斐があると思っている。
王侯貴族もかくやと思う様な待遇を受けるついでに髪を刈ってもら
ったのが昭和の床屋。
それらが、全部無くなってしまった平成の理容店なんぞQBで充分だナ。