近頃は地方都市だけでなく東京通勤圏のベッドタウンでも、道行く人に高齢者が多かったり、商店街にはデイケアや訪問看護の施設が目立ったりするようになってきた。

一方、かつては若いフリーターの受け皿だった都心のコンビニや外食チェーンでは、店員が外国人というのもよくある風景だ。

「日本は世界でトップクラスの少子高齢社会」といわれて久しいが、そんな日常のひとときに「少子高齢化による労働者不足」という現実をみせつけられる。

 社会では子育て支援や男女の出会いの場づくり、女性や外国人の活用などさまざまな対策や取り組みが行われているが、どうやら現実はそんなに甘いものではないらしい。

というか、もっとちゃんと考えないと超ヤバいことになる…『未来の年表 ―人口減少日本でこれから起きること(講談社現代新書)』(河合雅司/講談社)は、私たちの呑気な頭にガツンと衝撃を与える一冊だ。

 本書では人口減少社会の近未来の日本がどうなるのか、年次カレンダー形式で克明に描き出す。2017年現在の「おばあちゃん大国になる」(女性の3人に一人は高齢者になる)から2065年の「外国が無人の国土を我が物顔にする」

(約20%の居住地域が無人に。外国人の占有もあり得る)まで、官公庁の統計等のデータをもとにした未来図は、「ノストラダムスの大予言」よろしく胸にキリキリと迫る。が、事態はフィクションではない。

 


たとえば、2020年のオリンピック頃の日本の状況はこうだ。