統合失調症患者が他者の些細な言葉に頭に来たとして、
心の内に怒りの衝動が発生したとする。
この際、もし選択肢があるとすれば、
その心の内の怒りの衝動を確かなものとして、信じるかどうかです。

「私の怒りの衝動は正当なものだ、
何故なら私の感覚がそうだと肯定しているからだ、だから私は確信した。」

これは心の内に発生した怒りの衝動を、
確かなものとして信じて、
怒りに成りきっているのです。
そうして感情のコントロールを喪失するのです。

だがもし、もう一つの選択肢があるとしたら、
それは自分の怒りの衝動に対する、
自分の心の内での『ポーカーフェイス』である。
それは自分の心の内の衝動に対して、

「私の感覚がそうだと肯定しているが、
自分の心を、確かなものだと安直に信じるべきではない。
もしかしたら私一人が我慢すれば、丸く収まる話なのかもしれない。」

と10分か20分か、衝動の持続時間が切れるまで『ポーカーフェイス』でしのげば、
それが最良の選択であったと時間差で知ることができるかもです。

もしかしたら怒りの衝動が湧き起こったら、
自分が実際に爆発的に怒って症状を出そうが、我慢しようが、
自分の心の苦しさは同じじゃないか?と思うかもしれませんが。

これは自己中かどうかということです。

自分一人が我慢すれば、症状は出ないので、他者は嫌な思いはしませんから。