第4 「活脳」運動(脳は体の運動で鍛えます)
計算などの一時流行した「脳トレ」(脳で脳を鍛える)では効果が上がりませんでした。
特別養護老人ホームなどで見かけますが、認知症になっても碁や将棋の強い人がいます。
脳と体の各部分とは相互に作用して密接につながっています。大脳皮質の運動野・体性感
覚野は、特に口と手の指の占める面積が大きく(口は3分の1、手の指は4分の1)(あ
わせて7/12)、口や手の指の運 動で脳の血流が増加して活性化します。バランスをと
る平衡運動は小脳や大脳基底核を刺激します。これらの運動は人類の類人猿以来の生存の
ための原始的な基 本の運動です。同様に、「歩く」という運動も人類の基本的な動作の一
つで極めて重要です。ウオーキングによって脳の血流が増加し、脳内物質が増産されるこ
とが確かめられています。
また、筋肉を鍛えると成長ホルモンが産生され脳にも好影響をもたらします。

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<脳トレより筋トレ>(高田明和・浜松医科大学名誉教授「一秒禅」成美文庫)
最近は脳トレーニングよりも筋肉トレーニングといわれています。適度な運動をしたほう
が、脳トレよりも脳の刺激になり、認知症防止などにも役立つということです。さらに、
運動はうつ病の治療にも効果を持ちます。
運動をすると、脳細胞を刺激する BDNF(脳由来神経栄養因子)という物質が出て、脳が
活性化することも知られています。BDNF は、細胞が突起を伸ばす時に刺激になるので、
神経のつながり、つまりシナプスの形成を高めるのです。

https://lolipop-stylograph.ssl-lolipop.jp/kisc/shimingaku/pdf/shimingaku/kisk_shimingaku_vol1.pdf