なお、バトルの描かれ方と、空港五条の認識との間には、齟齬があるとの意見が最近多い。その通りであろう

端的に言えば、バトルを見る限り、その後明らかになった宿儺の実力を勘案しても、五条が強く見えるという問題である

この問題を解決する一手段は、このバトルの間宿儺は完全な力を出していなかったとすることだ。作者もその策に逃げようとする時があるが、必ずしも一貫した描写になっておらず、成功しているとは言いがたい

いずれにしても、五条悟という人格は実在しない。宿儺も同様。一つの人格や人格間の関係に矛盾があるのではなく、あくまでも芥見氏の描写の中における齟齬や矛盾であって、それらに関する疑問をぶつけるべきは、作者以外にいないのである