【飲み水をくんでくる…】
中忍第二試験中に期限が迫り、次がラストチャンスと緊迫した場面でサスケが口にした言葉。
この言葉を残してサスケは森のほうへと歩いていくが、すぐそばに清流が流れているというのに
なぜ森のなかへ足を踏み入れたのか?
サクラも「……」と(サスケくんどうしてそっちへ…?)と疑問に思っているのがわかる。
しかしその真意は実に単純なものだ。
サスケはナルトと違い繊細な神経を持ち合わせているお年ごろの少年であるため、女子であるサクラの
前で「ちょっとトイレ」「小便行ってくる」などのあからさまな言葉を口にできなかったのだ。
つまり、「飲み水をくんでくる」は女子で言う「ちょっとお花を摘みに…」という意味だったのである。

二部での香燐の回想では、巨大グマを倒したサスケがかすかな笑みを浮かべているが、前述したように
期限が迫った状態で、クマを倒す労力を費やして見つけたのが地の書という歯がみしたいような場面で
サスケが笑みを浮かべたのは、排便後で爽快な気分だったおかげだと思われる。
そうでなければ地の書を確認した時点で舌打ちでもして去っていたと考えられ、香燐がメガネを見つけて
顔を確認し、笑みを見て惚れることもなかったと思われるので、ここでのサスケの排便事情は二部にまで
影響を及ぼす重大な伏線だったのだ。

また、ナルトとサクラが地の書を開けようとしてしまうときに、サスケという絶対のストッパーが不在で
あることで、カブトがごく自然な形で恩を売り信用させつつ第七班に協力する流れを作ることができた。
そしてサスケの第二試験突破を望む大蛇丸のためにカブトがサポートしてくれたおかげで、無事天の書を
手に入れ、第七班はギリギリで第二試験を突破できたのである。すべてはサスケが「飲み水をくんで」来たおかげだった。
「サスケの飲み水」…これは、「ごく些細なことが、思わぬ幸運を運んでくることがある」という意味のことわざとして
後世に残すべきであろう。