薄曇りの秋葉原上空

重く垂れ籠めた曇

曇のカーテンが開き陽光が
あきはばらUDXのテラスに降り注ぐ

テラスに腰かけ遠い故郷にいる母親に思いを馳せる 彼女の頬を伝う二筋の雫

「いけない、アタシったらなんて感傷的になってんだろ」
雑踏に紛れてく小豆

小豆の背中に優しく陽射しが降り注ぐ
「今日はどんなお客さんと逢えるのかな?」
中央通りの雑多な人混み
皆思い思いの表情に様々な服に身を包み会話を楽しむ
小豆が居る場所にだけ天から白い階(きざはし)のように光が降り注いでいた

彼女自身が今後登ってゆく新たな舞台への階段である
今は秋葉原の通行人にももちろん小豆自身にもみえない

歩一歩を踏み固めはぴの入居するビルへと進む小豆であった


'17 秋から冬へ