ドッキリ!かごめのローファートラブル その1

下校中、かごめは気持ち良さそうに居眠りをしている野良犬を見つけ、音を立てないよう注意深く歩く。
もし音を立てて起こしたりしたら、絶対に怒って追いかけてくる。しかし、かごめは案外おっちょこちょいだ。
足下に落ちている空き缶に気付かず蹴ってしまう。カコン!の音で犬は目を覚まし、かごめの存在に気付くや否や追いかけ始める。
必死に逃げるかごめ。とにかく必死だ。そんな最中、左足の方のローファーがズルリと脱げ落ちてしまうが
犬から逃げるのに頭でいっぱいなかごめは全然気付かなかった。

とにかく死に物狂いで走ったため、犬から逃げ切ることに成功しホッとするかごめ。
喜ぶのも束の間、すぐにローファーが片方無いのに気付き、それを探しに元来た道を辿っていく。
またあの野良犬に見つかったら大変だ、と用心深くローファー探しに集中する。
30分後、かごめは数十メートル先に自分のローファーが落ちているのを見つけ、それに向かって走っていく。
すると近くの交差点から一台の車がこちらに曲がって走ってきた。

「えッ!?わ、私のローファーがーーーー!」

怖くなりギュッと目を瞑るかごめ。車が彼女の近くをブォーーと横切っていった。
エンジン音が消え去り数秒後、自分のローファーはさっきの車に潰されたに違いない…
そう思いつつ恐る恐る目を開けるかごめ。
しかし幸いにも彼女のローファーは無事だった。

「よ、よかったぁ〜」

すぐにローファーを拾い上げ、土や埃をパッパッと払いのける。

「ごめんね。大丈夫?もう一緒だからね、よしよし」

ローファーを軽く優しく撫でると地面に置いて足を入れる。
かごめは再び家路につくのだった。