国産は4WD「あり」が多数!! なぜSUVなのに欧州車は非四駆ばかり??
2021年2月10日 / コラム
https://bestcarweb.jp/feature/column/246311
https://news.yahoo.co.jp/articles/63d067879d364deba3d23e4cb2d28718b1557fc7/comments

 日本のSUVは、ほぼ全車に「4WD」が設定される! そう、日本車SUVにとって4WDは
「設定があって当然」という風潮なのです。SUVは、その見た目からも悪路や雪道での
走破性に優れていそうなモデルが多く、実際国産のSUVにはほぼ全モデルに4WD車の設定が
あります。

 しかし実は欧州車には4WDの設定がない“非四駆”のSUVも多いのです。2021年2月4日に
発表されたルノーの新型キャプチャーも2WD車の設定だけ。 なぜ4WDを設定しない
のでしょうか? この認識ギャップを分析します。

文/国沢光宏

■米国はジープですら2WD多数! 四駆の設定「必須」の日本は特殊?

 一昔前であれば、日本で「SUVを買う」となれば基本的に「4WDを買う」ということと
同意語だったように思う。

 実際、10年前の販売状況を見るとSUVの販売は“ほぼ”4WDだったほど。2WDのSUVについ
ていえば、言葉が悪い表現方法ながら「邪道」扱いだったほど。当時すでにアメリカの
SUVはジープですら2WDが多かったのだから、日本って特殊です。

 今でもSUV=4WDというイメージが強い。RAV4など、直近の販売比率を見ると90%近くが
4WDとなっている。ただ車種による差も大きい。

 RAV4と共通プラットフォームを使うハリアーになると、4WD比率は30%ほど。4WD
イメージの薄いホンダの場合、たとえばヴェゼルの4WD比率は20%しかない。
ボディサイズが小さいほど4WD比率は下がる傾向にある。

 とはいえ「SUVで4WDを設定しない」というチョイスはない。FF比率が70%を超えている
SUVであっても、必ず4WDを選べるようになってます。

 ひるがえって欧州市場を見ると驚く! ルノー キャプチャーやVWのTクロス、Tロック、
プジョー2008など、明らかに4WDが存在して当たり前のSUVでもFFだけのモデルが多い。
なぜか?

■欧州では4WDの必要性を感じない!?

 まず、大きな理由は「4WDの必要性を感じない」ということ。日本の場合、4WD=雪道み
たいなイメージだと思う。今シーズンのような大雪が降ると、FFじゃお手上げです。

 おそらくFFで今シーズンの大雪に苦労した皆さん、次に買うのは4WDになるかと。日本
の雪道を走ろうとすれば、やはり4WDがいい。

 一方、欧州はまったくイメージが違います。日本より緯度の高い欧州ながら、平地には
案外雪が降らないのだった。加えて雪が降っても日本のように滑らない。欧州の雪って
外気温の低いときにしか降らないし、降っても湿度の関係なのか案外グリップする。

 考えてみてほしい。アイスペールの濡れた氷は滑るけれど、冷凍庫の氷を触る
とくっついてきます。

 温度が低くて湿度の少ない雪や氷、けっこうミュー(摩擦係数)が高い。マイナス10度
を下回ると、水はすぐ凍るためハイグリップタイヤで走れてしまうほど。

 続く