ホンダの250馬力船外機「BF250」、タイヤや燃料タンク無しで価格241万円は高い?安い?
2019/06/20 12:33 by国沢光宏 新型車・フルモデルチェンジ, 追加モデル
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■走らせるためのプロペラ無しはタイヤ無しと同じ?

ホンダが船外機エンジンを作っていることは皆さん御存知だと思うけれど、世界市場に於けるポジションや評価などについては考えたこともないだろう。
そもそも船外機という商品、自動車業界からすればデラタメです。今回発表された250馬力船外機もそうだけれど、フネを走らせるためのプロペラすら標準装備されていない。
クルマでいえば「タイヤ無し」ということです。

そればかりか、燃料タンクやメーター類、アクセル関係まで標準では付いていない。そして価格は意外なほど高いのだった。例えばフィットと共通の1500ccエンジンを使う80馬力だと118万円。
エアコンやブレーキ、ドア、横滑り防止装置やエアバッグだって付いていないことを考えたら高いと思う。もう少し踏み込むと人気商品を作ればしっかり利益を上げられるワケ。

ちなみに安価な中国製の船外機が出てこないのは、信頼性が極めて重要だからだ。海での故障は処理に大きなコスト掛かるばかりでなく、陸から30分走った場所でエンジン止まったら死ぬことだってあります。
荒れた海では船首を波に向けていないと転覆する。だからこそ船外機ビジネスが成り立っているのは、世界規模で考えたらホンダとヤマハ、スズキ、マーキュリーくらい。

そんな船外機ビジネスは、現在2つに分かれている。1つは漁業など「働くフネ」用の比較的小さいエンジン。そしてお金持ちがプレジャーボート用として好んで使う大出力エンジンだ。
意外かもしれないが、ホンダの強みは働くフネ用の船外機です。本田宗一郎さんが「海を汚さない」という信念で開発した4ストローク船外機が(それまでは2ストロークが主だった)大ヒット。