いま「志」を感じる現行国産車 5選
2018.07.17 / ビジネス
ttps://bestcarweb.jp/news/business/2996

 最高の走りを追求したスカイライン、環境技術の精神から生まれたシビックCVCC、革新的ハイブリッドで誕生したプリウスなど、
かつては開発者の「志」を感じる日本車がたくさんあった。
 では今の日本車に「志」はあるのか? もちろんある! あると思う! たぶん!! やや不安を感じてしまったので、
5人の自動車ジャーナリストに「志を感じる日本車はありますか?」を聞いてみた。すると、全員が「もちろんある」と回答。
おお、すばらしい。5人それぞれ、今最も志を感じる日本車はこちらです!
文:ベストカー編集部、片岡英明、清水草一、渡辺陽一郎、鈴木直也、国沢光宏

■トヨタ・MIRAI

 私にとって最初の燃料電池車は22年前の1996年に遡る。トヨタはRAV4に燃料電池を搭載し、メディアに試乗させたのだった。当時は問題山積! 
そもそもRAV4の車体半分が燃料電池ユニットという状況で、動力性能だってプア。蒸気機関車のような音と湯気を出して走っていた。
私が生きている間に市販できるなんて想像もしていなかったほど。
 その後、燃料電池の開発チームは粘った。話を聞けば1992年くらいから本格的に開発を始めたというから、当初のスタッフについちゃ
市販前に定年を迎えるケースだって多かったことだろう。そもそも実用化できるかどうかすら怪しかったと思う。
MIRAIの市販は2015年なので、23年かかったということになります。志の強さという点からすれば世界一かも。
 30年間の熟成を経て世に出たMIRAIは、拍子抜けするほど普通に使えるクルマに仕上がった。何も言われなければ燃料電池車であることにも
気がつかないほど。乗り心地はトヨタ車でナンバー1だし、静かさも圧倒的。動力性能だって私が全日本ラリーに出場し、
同じクラスのガソリン車と互角に戦えるレベルを実現している。
 何より燃料電池車として一般向けに市販しているのは、いまだにMIRAIだけだ。(国沢光宏)