調べたのでまとめてみたぞ。

・川岸屋

現在の店舗は昭和21(1946)年の創業だが、川岸屋そのものの創業は大正期である。
店のある平方川岸は江戸までの舟運で栄え、その船着き場があった場所である。
また中山道と川越を結ぶ渡し舟も江戸時代には盛んであった。

渡し舟の方は明治16(1883)年に架かった開平橋により消滅したが、
東京までの水運はそれ以後も数十年間続いた。
「川岸屋」はその水運に携わる人々の食事処として大正時期に創業したお店であり、
三十年近くその役割を務め上げた。

しかし国道が開通し、自動車での運搬が主軸になると時代と共に水運は廃れ、
昭和初期に平方河岸の水運は終わりを告げる。
水運の終わりと共に旧店舗は閉店し、今の場所へ店舗を移して営業を再開する。

今度は近隣住人の食事処として親しまれて続いた。
時代は流れ客は減り続けたが、平成になるとサイクリング客の憩いの場所として細々と続いた。

しかし令和元年、台風19号により水没。
4つの時代を駆け抜けた食事処はいま、継続が危ぶまれている―