そしてもうひとつのネガティブは、ローターが左側についていることで、ブレーキをかけたときに左側に引っ張られてしまうこと。
平たく言うと、右にカーブするときに自転車が立ってしまう事。左右対称に曲がることが出来ず、高速になればなるほど顕著になっていく。
これがスポークのテンションやパターンで解消できないことは、オートバイクの歴史が証明している。解決するにはスーパースポーツバイクのようにダブルローターにするしかない。
では果たしてロードバイクがダブルローターになるのか。それはまだわからない。

ディスクブレーキを部分的に捉えれば、ウェットコンディションでの制動力は上がるだろう。
しかし自転車全体で走る、止まる、曲がる、の基本性能を整理していったとき、
ディスクブレーキのロードバイクは、マイナス、イーブン、マイナスとなり、ポジティブな部分はとても少ない。

シマノと蜜月の関係であったジャイアントが、フルモデルチェンジしたプロペルでディスクブレーキのみの展開とした時、
あるいは個人的に懇意にしているルックが2019年に795系でディスクブレーキモデルを登場させた時、
これにて私も来年はディスクを保有しなければいけないかと観念した。

しかし今年のツールを見るに、やはりディスクブレーキは不要だと確信した。