今回改めて聞き直して、本人が気に入っていないのがなるほどと思う反面、でも言うほど悪くないぞと感じました。
確かに1曲目とラスト8曲目とかプロデューサーに「がんがん派手にやってくれよ!」とか言われてアメリカ人ってそうなのかなあって感じでじゃあやってみました的な曲。
うって変わって2曲目はアコギのみの小品。
インタビューで、ぶつけて穴があいてたひどいコンディションのギターでみたいな事言ってましたけど、いやいやしっかりしてます。
3曲目はボーカルバージョンがあると思うけど、そちらの曲名が思い出せない・・・。
ホールズワースの曲ってどれも似た感じで曲名がすっと出ないんですよ。
ちょっと曲として煮詰め方が足りない気も。
4曲目はまたアコギのみで、UKのファースト7曲目冒頭30秒アコギで導入部弾いてますが、ああいう感じでこちらはきちんと一曲仕上げてます。
5曲目は曲名がアルバムタイトルにもなってますが、ゴングのアルバム「ガズーズ」ではシャドウズオブという名前が付いています。
ホールズワースのギターとアルフォンソ・ジョンソンのベースが最高ですが、曲全体の出来はゴングの方が上で、デモテイク的なレアさ作り込みの少なさが逆にいい感じ。
6曲目はホールズワースのバイオリンが大々的に聴けるというかその為だけに一曲作ってみましたみたいな曲。
7曲目はまたアコギで、曲というよりモチーフでラストに繋ぐ前奏曲。
ラスト8曲目、最初書いた通り思いっきり派手にしてみましたな曲。
この曲が多分バンドアンサンブルとしては最もまとまっている感じもするけどしかし決定的にアメリカ人ジャズメンのテイストもあってアランは本当にそういう演奏をしたかったのか?とも思ったりして。

個々の演奏を聞けば素晴らしい、しかし自分のリーダーアルバムなのにトニー・ウイリアムスのアルバムでのアラン並みに浮いているので本人は気に入らないんだと思う。
後にしばらくつるむ事になるアラン・パスカもそういう音をホールズワースは欲しがってないと思うよ、な音を出してるし・・・。
音質の面でもアメリカの音作りで、残響付加とローカットで乾いた感触、まさしくトニー・ウイリアムスのニューライフタイムやジミヘンのアルバムのあの感じ。
それやこれやまとめてアラン・ホールズワースのアメリカ時代の代表作、と言いますか。