知事、中電の核のごみで持論

◆「浜岡敷地内で処理を」

 中部電力浜岡原発(御前崎市)から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分について、静岡県の川勝平太知事は二十四日、
記者会見で「中部電力が出した核のごみは、高レベル放射性廃棄物に至るまで、浜岡原発の敷地内で処理するべきだ」との持論を述べた。

 川勝知事は、青森県六ケ所村で計画されていた核燃料の再処理について「実現可能性がかなり低くなった」との見方を示した。
放射性廃棄物を原発の敷地外に持ち出せば「放射能が飛散する可能性がある」として「出したごみを自分で処理するのは当たり前だ。
中電は安全に処分する方法を考える必要がある」と主張した。

 一方で、国から最終処分場の「科学的有望地」として静岡県が選定された場合に受け入れるかどうかについては明言せず、
「国が最終処分場をここへ決めるといって、すぐに決まるものか。住民の意思を無視しては決められない」と話した。

 核のごみは、使用済み核燃料の再処理後に残る放射能レベルの高い液体。国は核のごみをガラスで固め、
地下三百メートル超の地中に埋める「地層処分」にするとしており、今年中に地理的適性の高い「科学的有望地」を示すとしている。

 最終処分場を巡っては、九州電力玄海原発がある佐賀県玄海町の岸本英雄町長が四月下旬、
国が適地と選定した場合には協議に応じる姿勢を示し、波紋を広げている。

 経済産業省は三十日、静岡市内で、静岡県内の市町担当者向けに最終処分に関する説明会を開く。

http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20160525/CK2016052502000104.html