駅までの道を歩いて、曲がり角を曲がると私は知らない男にぶつかってしまった。

「す、すみません」 

そう言って直ぐ立ち去ろうとしたが、腕を掴まれた。

ビックリしてその男の顔を見ると私は震えた。


あの、男だ…あいつだ、!!


あちらがなにも話さず腕を離してくれないので

「あの、すみませ…ぶつかって、ほんとに」


と私は男を知らないふりをした。


男は私の腕をサッと離してくれた。
どうやら他の人が通りかかったらしく、周りを気にしているようだった。

私は今のうちに!と思い、すみませんでした!!と言って走って逃げた。


心臓がバクバクだった。

あの時、朦朧とした意識の中で見たあの男の顔。
今日会った男の顔。

似すぎてる、いや、本人だ!


私は近くの交番に駆け込み、警察に助けを求めた。