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新装なった国立競技場における最初の日本記録は、14年間更新が止まっていた女子1500mで誕生しました。昨年のドーハ世界選手権5000mファイナリストで、今季、800m、1500m、3000m、5000mの4種目で日本リスト1位の座を占めている田中希実選手(トヨタ自動織機TC)が、4分05秒27をマークして、従来の日本記録(4分07秒86、小林祐梨子、2006年)を塗り替えたのです。

ペースメーカーを設けずに行われたこのレース。スタートしてすぐに先頭に立った田中選手は、400mを66秒(以下、400mごとの通過タイムは公式記録に記載された計時を採用。そのほかは著者による非公式計時)で入ると、800mを2分11秒、1000mを2分45秒で通過していきます。そして、3分02秒で残り1周(1100m)を迎えると、ここでギアチェンジ。800m過ぎで2位に浮上して田中選手の後ろについていた卜部蘭選手(積水化学)を突き放します。1200mを3分17秒で通過してからは後続との差をさらに大きく広げてフィニッシュラインへ。ラスト1周は63秒でカバーする圧巻の走りでした。