「グル(尊師)は第6サティアンの1階と2階の間の部屋にいます。末期がんで死にそうなので、大事に扱ってください」 
16日午前5時半。第6サティアンの捜索は約350人態勢で始まった。
遠藤死刑囚の「告白」もあり、1階と2階の間をくまなく捜したが松本死刑囚の姿はなかった。 
捜査員に疲れが見え始め、約3時間後、捜索は一時中断された。
 
牛島警部補は休憩中、ゴールデンウイークのころに2階と3階の間の外壁に信者がカバーのようなものをつけていたのを思い出した。 
「隠れるなら空気穴が必要。カバーは穴を隠すためでは」。隠し部屋がありそうな場所の天井を壊すと壁のようなものが見えた。
同僚が金づちで壊すと、うつぶせの松本死刑囚の頭が見えた。
「麻原か」
「はい。瞑想(めいそう)していました」
隠し部屋は2階天井部分にあり、高さ約50センチ、幅103センチ、奥行き335センチ。
逃走資金か箱に1万円札が九百数十枚入っていた。担ぎ出された松本死刑囚は足が震えていた。