「遅生まれ」の運動能力優位、男子は中3まで

1月〜4月1日に誕生日を迎える、いわゆる「早生まれ」の子どもに比べ、4月2日以降に誕生日を迎える「遅生まれ」の子の方が運動能力に優れている傾向が、

男子は中学3年生まで続き、女子では小学5年生以上はほぼ見られなくなることがわかったと、奈良女子大の中田大貴・准教授(スポーツ科学)らの研究チームが発表した。

7月31日付の米運動科学誌(電子版)に掲載された。

幼少期は、同じ学年でも4月生まれと翌年3月生まれで体格の違いが大きく、運動能力にも差があることは、経験的に知られている。

チームは奈良県教委の協力を得て、こうした差がいつまで続くのかを調べるため、県内の小中学生計3610人が昨年行った体力測定の結果を分析。

学年、男女ごとに4〜9月生まれと、10月〜翌年3月生まれにグループ分けし、50メートル走、立ち幅跳び、握力などの成績の平均値を比較した。

その結果、男子は中学3年生でも、4〜9月生まれの方が高い運動能力を示した。一方、女子は小学校低学年は同様の傾向を示したが、5年生以上では差がなくなっていた。

女子では、第二次性徴が始まる小学校高学年の頃から、運動を好む子と好まない子の個人差が拡大し、生まれた時期による違いはわかりにくくなるらしい。

中田准教授は「早生まれの子は運動の才能があっても見つけにくい。特に男子にそうした傾向があることを指導者は理解してほしい」と話している。

アスリートを研究する広瀬統一・早稲田大教授(スポーツ科学)の話「大勢の子どもを分析し、男女差が出たのが興味深い。早生まれ同士、遅生まれ同士で運動能力を競わせるよう、指導法を考えなおすべきだ」

2017年08月08日 09時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun