鎧坂、ほろ苦デビューの世界陸上
直面した世界との差、リオへ再模索を 2015年8月23日(日) 08:45

「もう本当に残念の一言というか、ふがいないというか……」
 開口一番、うつむき加減のまま鎧坂哲哉(旭化成)は力なくつぶやいた。「しっかり勝負していくこと」
を目標に、自ら考えた練習メニューを積んで乗り込んだ、初めての世界選手権(中国・北京)。
迎えた22日の男子1万メートル決勝は、28分25秒77の18位に沈んだ。世羅高、明治大、そして
旭化成と駅伝の強豪を渡り歩いてきたエースがぶち当たった“世界”という大きな壁。
ミックスゾーンに現れた鎧坂は、悲壮感を漂よわせながら、「力不足」と何度も繰り返した。

2017.09.24
神野大地が世界陸上視察で悟った
「マラソンで外国選手に勝つ走り方」

 8月上旬、世界陸上選手権を視察するために神野はロンドンに飛んだ。現地では男子マラソン、
高校時代の同級生である清田真央(スズキ浜松AC)が出場する女子マラソン、100mなど見たという。
そこで神野が得たのは、自分が目指すべきスタイルの確信だった。

「今の日本人選手は海外の選手にどこまでついていけるのか、何kmまで揺さぶりに耐えていけるか
という戦いになっていると思うんです。それではメダルは無理。今回、清田(16位)の走りがまさに
そうでしたよね。海外選手の揺さぶりには対応していたし、3周目の時は第2集団の先頭で通過したんです。
その時、後ろに下がらずに前に出て相手を振るい落とす走りができたら入賞できたと思うし、メダルも可能だった。
でも、主導権を握る気がなかった。清田は『メダルが目標』と言っていたけど、メダルを狙う走りじゃなかったんです。

(男子マラソンの)川内(優輝/埼玉県庁)さんは9位でしたけど、もともと主導権を握る走りではなく、どこまで
粘れるかという走りなので、それだと入賞は狙えてもメダルには届かないと思うんです。
 世界で勝つためには、自分がいかに主導権を握って、海外の選手を揺さぶって振り落していくレースができるか。
ロンドンに行って、それが改めて重要だと思ったし、そういうレースができるように中野さんとトレーニングをしている
自分の方向性は間違っていないと確信しました」