(ジゴ坊のことはもう殆ど覚えてないが、あいつも相当なクセ者だった覚えはある)
妖怪サギ男については、最初から圧倒的な上位者だった
とてもじゃないが眞人のかなう相手じゃなかった
何かご眞人の気を引かせて、早朝誰もいない庭におびき出す
まんまと術中にはまった眞人を赤子の手をひねるように幻術にかける
眞人は茫然自失となって身動きひとつできない
あれ夏子が助けなかったらそのまま塔に連れてかれてたよ
サギ男の誤算だったのは、これ見よがしに散らしてた抜け羽に「風切りの七番」が混じってて、たまたま眞人がそれを矢羽に用いたこと
圧倒的強弱ゆえの油断が招いた失敗だった
それで嘴に穴を開けられ醜く滑稽な正体を晒すことになり立場を逆転されちゃった

言葉使いについては、サギ男は圧倒的強者だった時の大仰な敬語こそ不気味さの演出よ