「むしろ『THE FIRST SLAM DUNK』の声優変更は、成功といっていいでしょう。今回新たに起用されたのは、近年大ヒットした『ヒプノシスマイク』の声優でもある木村昴と神尾晋一郎。若年層や女性からの人気が高い声優を起用することで、新たなファンを取り込むことができます。『週刊少年ジャンプ』の漫画が原作で最近アニメ化し、大ヒットを記録した『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』はそのような手法で成功していますからね」(アニメライター)

また『SLAM DUNK』の原作者で「THE FIRST SLAM DUNK」監督の井上雄彦は、こう語っている。

「公式サイトのインタビューで井上は、過去のアニメ声優に対し、《あの何年間かのテレビアニメで声優さんたちは、プロフェッショナルとしてキャラクターと向き合い、それぞれのやり方でキャラクターを育ててこられたと思うんですね》《もしも今回お願いしたら、その方たちのお芝居をいったん捨ててもらわないといけなくなる。かつて育てられたキャラクターをいったん捨ててもらわないといけないことになっただろうと思うんですね。それはできないなというのがあって》とコメントしています。今回の声優変更は、無駄な改悪ではなく、既存声優のブランディング崩壊をも防ぐという、計算され尽くした戦略なのです」(同ライター)

「THE FIRST SLAM DUNK」は公開直後から絶賛の声が相次いでおり、SNSには《お金をドブに捨てるつもりで行きました。次は沼に納めるつもりで観に行こうと思いました》などと、手のひら返しの声が多数見受けられる。

声優を変更するかしないかは、その作品のブランディング次第。声優を変えるも変えないも自由だが、いつまでも古い認識に囚われているようでは、ヒット作を廃れさせる一因になりかねないという点は共通しているだろう。

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映画『SLAM DUNK』に手のひら返し! 叩いていたのは古のオタクだけ?