最近のヤフー映画から引用

[ネタバレ] 児童虐待に軽率に触れている

総合評価:★★

他の方にもありましたが、この表現が的を得ているように感じました。物語で起きた「助けて」の対象が、何も助けられて
いません。ラストを見て、ただただ、虚しい気持ちになりました。

親と離れた子がどうなるのか。いい施設や里親に合える確率は、決して高くなく、またそれをするにも多くの大人が、多くの
人から罵詈雑言を浴びながら、子どものことを真剣に考えて、迷いながらも、なんとか実現していきます。そして、それ
でも、何とか生きて18歳になれば子どもは独り立ちです。

「助けて」と言った子どもたちは、これからも、必死に戦います。なのに、何故主人公はこんなにも晴れやかな気持ちになって
いるのか。

きっとこの映画において、虐待は、主人公の物語を彩るフレーバーなんだろうな、どうか今の若者に「誰かを助ける」という
ことが、こんなにも表面的なアクションで終わらせてよいものであると伝わらないでほしい。

それが、この映画を観て一番に浮かんだ思いでした。

細田守さんの作品は大好きで、今作も映像と
音楽がワクワクし高揚していました。だからこそラストは、ただただ、虚しかったです。

今の社会、虐待の通報や相談の電話、どの地域でも一日中鳴り止みません。描くなら、もっと踏み込んで欲しかった。