くんちゃんの声に批難が集まっている通り、第一声を聞いたとき、こりゃあひどいと思いましたが、
もしこの声が現実味のある男の子の声だったとしたら、現実の子供がやたら騒いでいるだけになって、言葉が入ってこないというか、見ている側が騒がしくて落ち着いてはいられず、余計に何を見せられたのかわからなくなってしまうように思えました。

ハナから映画は作りものという視点でみれば、
くんちゃんは本当の子供ではなく話の伝達者として、時には幼少期の大人たちを俯瞰するような視点に置かれていくので、
どの場面でも本当にリアルな幼児の声と頭脳でいられては、そこで話が広がらず、
少し大人で異質で声が浮いていて耳に入りやすいくんちゃんに仕立て、場面場面でのナレーター的な役割をまわされていると思い直しました。

そう考えると、声はこの声を選ぶ必要性があったのかなと思え、映画に仕立てる意味では、ハズしてはいないと思えました。
ちゃんとリアルの配役をした映画を期待せずに、テーマを見せてくれるなら多少の違和感は気にはなるけど、問題ないと割りきりました。

くんちゃんを映画の中にいる子供としてとらえずに、映画の中で浮いた存在として見るかんじでしょうか。
まどマギのQBや、世にも奇妙のタモリのようなガイド役で、けっこう演技してなじんでくれてて、伝えたいこと見せてくる案内役のような。