糸守に隕石が落ちて隕石湖になったという衝撃の事実をラーメン屋で知らされるわけだけど
もちろんこれを別の人物に置き換えても成り立たそうとすれば成り立つ
それが科学者であってもいいし駅前のおばちゃんでもよかった
でもそれを糸守出身のラーメン店主にしておき次の日の見送りをさせた上で
弁当渡すときのセリフによってものすごく印象的なシーンにすることができ
さらに瀧自身の気持ちを奮い立たせる効果を与えた
もちろんおにぎりを食べる結びという意味ある行動にもつながってる

仮に知らせたのが科学者あるいは役場の人間などとすれば
事故前の状況を知ってるらしい瀧をそのまま帰すわけもなく
根掘り葉掘りヒアリングが始まってないと逆に矛盾を感じてしまいかねない

また知らせる役割は店主のままだとして現地に科学者などが居たとする
それが物語に与える効果が薄すぎるしさらに住んだこともない糸守への郷愁に
繋がるものでもなく逆に第三者的に思いを希薄にする悪い効果が出てくる
いろいろ考えるとやっぱりあの店主でなきゃいけなかったしそれ以外はいらなかった

こんな素人が思いつくようなことはもちろん新海監督自身は何十回となく考えただろう
しかも結局そうやって紡ぎ出した物語は大勢の観客の心をつかんだ