>>282
人物描写にも同じことが言えて、例えば天才バカボン見て、「ピストル鳴らしながら走る警官コスの男なんていねーよ」なんてツッコミするやついないけど、君の名はは中途半端にリアルを描いてますって雰囲気醸し出してるのがいけない。

自分一人に500人の命がかかってる状態で、好きな人の名前が思い出せない思い出せない言ってられるやつはいない。
いや、現実にはいるのかもしれないけど、そうするには「そういうやつなんだ」っていう描写が必要。
もっと細かいところはいっぱいあって、スカート切られて「もうっ、あいつらっ」で済ませる女はいない。恐怖感も恥ずかしさも一切描写なし。
何なら、愛する奥さんが亡くなって「あいつを救えなかった…」ってどんな気持ちから出てくる言葉だよ。「何故こんなことに」でも「もっと一緒にいたかった」でもいいし、意味は同じでも「助けてやりたかった」ならまあいい。
「救えなかった」って、個人的には文語だと思う。口に出して言うにはちょっと気取りすぎてて、妻を亡くした人から出る言葉としては自分に酔ってる余裕ありすぎ。
「大人の男の人ってこういう言葉使いするんだろーなー」ってテンプレから拾ってきたみたいだ。
全体通して、創作する人間として多少なりとも本を読んだり映画を見たりしてきたならしない言葉選びが多い。
中学生が自分の知ってる言葉を一生懸命使って書いた作文みたいだ。

それでもね、設定がしっかりしてれば持っていけるんだよ。そこをふわっとスルーするなら、人物描写しっかりしないといけないよねって話です。

ただ思春期って妄想で補完できる機能にブーストかかってるから、雰囲気さえ気に入ってもらえれば若者にはあとから色々考えてもらえるんだよな。新海誠よかったな。