宇多丸、『君の名は。』を語る!
https://www.tbsradio.jp/79324


本来それぞれ単体でひとつの作品になるような盛り上がり要素。
本来、お話ひとつにひとつずつ付いている唯一のデカい嘘……
あり得ない奇跡だったりとか、唯一、お話にひとつずつあるデカい嘘が今回、複数てんこ盛りになっているため、
お話としてのあり得なさ度は非常に高まっております。
僕が見た前の回から出てきた観客の子が、首をひねりながら、
「あり得ないっしょ? あり得ないっしょ?」って言いながら出てきてる子がいて、
すごい笑っちゃったんだけど。ねえ。

「たまたま」他人同士の心と身体が入れ替わり、「たまたま」それは時間を超える能力も備えており、
「たまたま」それが大災害にも密接に関わっており、その大災害も「たまたま」同じ場所に数千年後、
同じものが降ってきちゃうという、まさしく超天文学的確率で起こる災害であり……
とかね。で、あとその「口噛み酒」を飲んで起こるまさしく奇跡的な事態みたいな。
そういうのが重なって、もう奇跡的事態の5乗ぐらいになっちゃっているというね。
どんだけ偶然が重なっているんだ?っていうセッティングになっちゃう。

ちなみにあの口噛み酒を飲むという場面が途中にあるんですけど、
神社で作った酒を飲む、瀧くんというその男の子のキャラクターが、
1人でいるのにずっと口を動かして説明ゼリフを言い続けているのは非常に違和感があった。
これ、全体を通して見てはっきり、「ああ、これは演出ミスだろう」って思ったところでもありますけども。