うーん、 >>888 は口調が荒いだけで、言っていることは正しいと思う。

原作マンガは当時の男尊女卑社会を声高に批判はしないけれど、その痛みは
ヒリヒリするほど描かれていて、むしろ戦災と並ぶ大きなテーマになっている。

映画ではリンさんパートがカットされてわかりにくいけど、監督は処女作が
『アリーテ姫』のフェミニストで、そうでなければこの映画を作れなかった。
https://twitter.com/katabuchi_sunao/status/796816991063445504

例えば、水原が北條家を訪れたとき、
周作はなぜ、すずの意思を聞かずに水原と一夜を過ごさせたのか、
そして水原はなぜ、すずの意思を聞かずに抱こうとしたのか。
それは当時は「それが当たり前」だったから。
(出征兵士の意思は最大限に尊重され、女性の意思は無視される)

すずが断って、水原が引き下がったから、感動的なロマンスになっているけれど
もしそうならなかったら、現代人には耐えられないほど陰惨な話になってしまう。
そしてその陰惨なほうが当時は「当たり前」だったわけで。

この作品、オブラートに包まれているだけで、描かれている内容は相当にキツイよ。