そのとき貴樹は、走り過ぎる電車の中に明里の姿を見た気がした。

貴樹は咄嗟に、踏み切りの非常停止ボタンを押した。
緊急停止した電車はなぜか炎に包まれ、その車内には貴樹をじっと見つめながら、燃えおちてゆく明里の姿が・・・。

「フッ」

微笑みながら貴樹は電車に背を向け、新たなる一歩を踏み出した・・・。