マーニーでは、米林が宮崎の呪縛から脱却して、なんとかオリジナリティを出そうとした努力のあとを感じた。
十分に成果が出ていたとはいえないかもしれないが、新しいものを創造しようとする作家性は感じられた佳作だった。

メアリは、米林が独立しての第一作だからかなり期待していたが、これは大いなる失敗作。
新会社を背負うプレッシャーがあったのか、スポンサーから「宮崎映画並みのメガヒットを」という注文に逆らえず、結局宮崎のアンソロジー作品にならざるを得なかったのか。

どちらにしても、ファンが求めるものと真逆の方向に行ってしまったという失望感が大きい。こんな過去の宮崎映画のパッチワークみたいな映画など誰も見たくはないはず。

これは、単に作品自体の出来不出来の問題ではない。主要スタッフのモノ作りにおける姿勢の問題。
製作委員会の責任者たちの猛省を促したい。