ムスカに「パズー君、これを持って帰りたまえ」と言われて金貨をもらったパズーが、
ガーッと走って、それを投げ捨てようと腕を振り上げるシーンにどんな意味があるかというと…

パズーという少年にとってあれだけの金貨というのは、
おそらく生涯あの炭鉱で働いても得られないだけのお金なんだ
ということを、それ以前のシーンで自分や親方が働いている貧乏な鉱山というのを散々見せることで表現してるんですね。
「この鉱山からはなんにも出ない!」って言ってるし。
なので、“純金の金貨”なんてものを与えられた時にパズーというのは
それを地面に投げ捨てられるような子じゃないんですと。宮崎駿はそれを言いたいために
パズーに感情のままに放り投げようと腕を振り上げるんだけど……できない!
みたいな動きを派手に取らせているんですね。