(>>163のつづき)
彩佳「いつもご丁寧に戴いてばっかりよね、お歳暮 ブルーベリージャム、野いちごジャム、
クランベリージャム…ん…んんんんんさんか。母さんはパンに合う食品をチョイスして、
達筆な字で一筆添えて贈って下さるファンの一人だって言うけれど、いつも差出人空欄で
お礼できていないってね。」
ジャムをバターナイフに取ってパンを塗り、瓶のラベルに目を落としながらブツブツ言う彩佳。
彩佳「お母さんだけじゃなくお父さんも何か様子が変よね(´・ω・`)今の私にとって、
一番の味方は職場やファンの皆さんかもね、プラス思考、プラス思考よ…」
トーストを2枚平らげると、彩佳は使用済みの食器を卓上に置きっ放し出しにして、
足早に出勤するのであった。

彩佳が時折、空模様を見つめながら母を気にしている。
森川「先輩どうしたんですか?(´・ω・`)天気は担当の私達が見てるからご心配なく!」
彩佳「ううん、何でもない、何でもないの。そうね。今日の気象情報は特に大事だから、
夕貴たちのこと、頼りにしてるわよ」

こうして番組打ち合わせも佳境に差し掛かった一方、都内での用事を済ませたある男
がひとり。天気を気にしながら夕刻の友人との予定を中止し、足早に地下街へ入る。
途中で買い物を済ませ、洋菓子店の紙袋を手にして東京駅八重洲口を目指すのであった。

(つづく)