(中略)

 いろいろ候補を挙げましたが、実はもう決めているんです。海外に移住するときは、まず、
セルビアに住もうって!というのも、学生の頃にゼミの研究で訪れたとき、信じられないく
らいほどモテたんです。

 おみやげ屋のおばさんには「なんてかわいいんでしょう!」とクッキーをプレゼントされ、
ホテルのラウンジでは、フェイスブック用に写真を撮らせてほしいと地元の人に頼まれ、
ベオグラード大学では、学生にデートを申し込まれました。夢のような国!

 何もかもに疲れたら、生きることに絶望する前に、私はセルビアで第二の人生をスタート
させたいと思う。

 なーんて、夢みたいなことをは言ってられませんね。私は東京で生きていくし、現実問題
マンションの更新時期が近づいてきています。今日も今日とて、運命の物件探し求めて、宇垣
は情報サイトを検索し続けるのです。