上司に謹慎を解かれてからというもの、居候の人助けは止まらない。
メキシコでは公務員の給与カットを公約したマフィアを当選させ、エジプトでは政府にフランスの武器を提供して治安改善に協力するなど、その活躍は目を見張るばかりだ。
そんな無能な働き者に、久しぶりに魂を天国へ送る通常業務が舞い込んだ。なんでも今回亡くなったのは、人気演芸番組に半世紀も出演した横浜の落語家(享年81)だという。
早速東京に降り立ったアンジーは、近くの公園で何も書いていない手帳を眺めていた暇人(71)に道を尋ねると「青い人に聞けば」とツレない返事。
仕方ないので交差点で騒いでいた青い集団に道を聞いたところ「あっちだよ」と暗がりに誘い込まれ、穴という穴にサッカーボールをぶち込まれた挙げ句ベルギー戦の腹いせに横浜へシュートされた。

葬儀会場にたどり着けたはいいが、予定より早く来すぎてしまい数時間のロスタイムを食らったアンジー。
それが面白くなかったのか、遺体を見るや否や「火葬しなくたって元々ガイコツじゃん、ハゲジジイ」とうっかり弔辞を述べてしまうハプニングも。
ここで嬲りころしに遭ってはたまらないと我に返ったアンジーは焦って周囲に命乞いをしたが、意外にも近くにいた関係者(68)にはウケている様子。
葬儀終了後も「これじゃあ司会じゃなくて死骸」などと独り言を言っていた六代目は、ウマが合うと確信したのかアンジーと意気投合、行きつけのラーメン屋で奢ることにした。

早速食券を買って注文すると、出てきたのは昔ながらの中華そば。
漫画家の他に落語家も兼業している店長(80)いわく、風変わりな羊肉チャーシューのトッピングは黒いタンキニを着た店員のアイデアだそう。
初めて来た土地でありながらも懐かしさを感じる味わいに、向かいのカウンターにいた同じく金髪の女子高生と共に舌鼓、日頃の激務を癒やした。
しかし、南米から来た客(ブラジリアンではない)が店長の黄色い服を見た瞬間事態は急変 ――
「最高の試合をありがとな!」と言い捨てた男は店内で銃を乱射、流れ弾に当たったアンジーは終身名誉司会者を追うようにして旅立った。

これに関して座布団運び(61)は「ミイラ取りがミイラになっちゃったね」とコメント、人生の最期まで日本中に笑いを提供する師匠に敬意を表した。
なお店長は屋根裏に隠れて無事だったため、次の笑点には間に合う模様。