女性を襲って恥ずかしくないのか」

 取調官は、感情を揺さぶるように言葉を投げ掛けた。数日間否認していた組員は突然、体を震わせ、口を開いた。「すみません、しゃべります。やりました」

 1人が自供したと知ると、複数の組員が容疑を認めた。「こんなことは、ヤクザのやることじゃないと思っていた」。本音を漏らす組員もいた。

 工藤会の「鉄の結束」がほころび始めた瞬間だった。